あなたと、同じ夢を見れたら。

どこにでもいるようなとある社会人です。あなたの一瞬の暇つぶしにどうぞ。 なんでもない日常に、少しの彩りを添えられたら。

月の灯りが、ふわりと舞う夜

ねぇ、どこに行くの。 私を置いて、どこに行くの。 傍にいると、言ったのに。 一緒に笑うと、言ったのに。 冷たい夜風が、街路をかすめる。 傍の小川が、小さく聞こえる。 聞こえる、足音。 私の足音。 木霊する。 あぁ、そうか。 離れたのは、あなたじゃな…

このうろこ雲はただの雲じゃないんだね

カシャッカメラの音うろこ雲が広がる夕焼け空を撮ったところ七分丈の袖を少しだけ伸ばそうとしてみるあっという間に肌寒くなって蝉の声はいつのまにか聞こえないあたりを泳ぐ風もこころなしか軽やかだおかしいなついこの間まで、止まぬ雨に憂いていたのにつ…

秋の早朝のような、夕方のような、夜更けのような匂い

いつの記憶なのだろうか どこからともなく漂ってくる、草が焦げたような匂い 秋の早朝のような、夕方のような、夜更けのような匂い 匂いとともに運ばれてくるのは、何気ない日常の記憶 秋の季節の中での笑った記憶、一生懸命だった記憶、 1年前、2年前、3年…

夜の街路

聞こえる あなたの声が あなたじゃない声が 私はあなたの声だけを拾って 私が前に進めたのは 私を前に進めたのは 他の誰でもない、あなたの声だけでした 私のあの日の声で どうかあなたが、前に進めていますように 街路に響いたのは 灯りに反射する、私の鼓動

一年という歳月の間、鼻に届くことのなかった匂い

夕暮れ いつからだろう 頬をなでる風からは、いつの間にかぬるさが消えていた 一つの季節の終わりを告げるように、切なげな蝉の声が運ばれてくる 僕は、この風の匂いを知っている それはまるで、ほんの少し前に嗅いだことのあるような匂い 草のような、大地…